『風が強く吹いている』読みました

風が強く吹いている (新潮文庫 み 34-8)
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商品紹介文:小出恵介 林遣都 中村優一 川村陽介 橋本淳
怪我で選手生命を断たれたランナーと、事件を起こして競技から遠ざかっていた天才ランナー、走りの素人を加えたたった10人が箱根駅伝出場を目指し、これまたたったの数カ月で出場を果たしてしまうという荒唐無稽な物語。

湘南に住むようになって、近くを走ると知ってから興味を持った箱根駅伝。駅伝の時期だけにわかに勉強し、「繰り上げスタート」とか「シード権争い」「華の2区」「山登り」「山下り」等、観戦するのに楽しい用語は覚えた。でも本当の過酷さを知らなかったのだ私は・・・。この小説を読んで、ずぶの素人が箱根駅伝に出場しようなど望むべくもないということを、今更ながら知る。殆ど素人の10人が、それもたった10人で箱根駅伝に出場してしまうんだから、先に書いたように荒唐無稽と言わざるを得ないけれど、そこはまぁ小説ですからっ!それこそが小説の醍醐味ですからっ!でもみんなを箱根駅伝に巻き込んだハイジの言動を見ると、夢じゃないような気になってくるのだ。素人の8人も、どんどん引き込まれて箱根へ向けて上昇していく。
先が気になって気になってしょうがない小説に出会ったのは久しぶり。「明日は予選会」「予選会終わって、発表待ってるとこなの」「今、スタートしたとこ」「来た来た!3区っ!」とコソンに実況中継しながら読んじゃったもの。「発表って言ったって、どうせ出場するんでしょー。そーゆー話なんだから」とコソンに言われながら。

10人それぞれがコンプレックスや心の傷を抱え、走ることを通してそれを克服し成長していく様、そして走るスピードや走る姿の美しさが文章から伝わってきて、この10人が愛おしくて愛おしくてたまらなくなる。特にやっぱり駅伝本番での10人それぞれの心の描写は秀逸。秘めていた心の内を振り返り、分析し、噛み砕いて消化していく10人のランナー。かっこいいー。

テレビでちらりと見た映画の予告では、ハイジ役の小出恵介くんが本当の箱根駅伝のランナーみたいな走りだった。箱根駅伝のシーンはどんなふうに映像になっているのか、是非観てみたい。
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